ヒト故に、

佐々木は佐々木で在り、ヒトでは無い。

命が必要である。

床に這いつくばってどのくらい時間が経っただろう。

 

少し瞬きをしただけで時計が三時になっていたらしい。

一瞬、目を閉じただけだった、と。

それを世では寝落ちと云うのだ。ツッコミは抑えた。

 

もうそのまま自室へ行く気力も無く、その場で寝たらしい。この真冬じゃ風邪をひくと云う声も無視して。

 

朝日で目を覚ますも、また突然世界が変わったように空が明るくなっていたようで。

 

感情も無く、食欲も無く、只只空虚を眺めていた。

 

疲れが溜まったのだろうか。

薬を一日飲み忘れただけでこうも機能が停止するのだろうか。

 

人間という生物は不便である。

 

身体が必要だ。心臓が必要だ。思考が必要だ。判断が必要だ。心が必要だ。

 

命が、必要だ。

 

何故人間はこうも動く為に、生き続けることに、必要なことが多いのであろうか。

 

 

佐々木には判らない。